チョロ松の回復(5)
チョロ松とコロンゼはすぐに意気投合し、間もなく話題はクスリの話で盛り上がりました。
「ほなら、俺が引いてくるから、一発ぐらい分けたるがな」
退院したばかりのコロンゼもコロンゼなら、それを全く受け流さないチョロ松もチョロ松。忍者のような速さでクスリをひいてきたコロンゼに抗う術もなく、二人で公園のトイレに行き、使いました。
悲しいかな、ダルクに来る薬物依存者は皆薬物を思いどおりに使うことができません。だからこそ、ここにたどり着くわけですが、コロンゼは翌日にはもうテンパり気味で挙動が安定しなくなりました。
「なあなあ、コロンゼあいつ、動きがへんやで」とアスカさんが言うので見に行くと、確かに例のタコ踊りが始まりかけていました。
「コロンゼさん、またやっちゃたんすかー、もう勘弁してくださいよ」
「やってへんよ。寝不足なだけや」
「ホントですか。じゃー、足を閉じてじっとしたまま、そのまま動かないでください」
「なんやそれ」
「いいから、じっとして!」
20秒もすると「パカっ」と足が開いて体がクネクネうねり始めます。
「あかん、体がいうこときけへん」
その日の晩コロンゼはチョロ松のところに来てこう言いました。
「チョロ松、もう俺あかんわ、降参や。このままじゃ助からんから明日正直になるわ」
「あっ、そうなんすか、じゃご勝手に」
穴が開くほど見ていたエロ本片手に、チョロ松は半ば見下すようにコロンゼをあしらいました。
翌日、スタッフに正直になったコロンゼは茨城ダルク今日一日ハウスに飛ばされました。