コロンゼ登場(1)
四半世紀に及ぶ僕とダルクとの関わりの中で最もインプレッシブな人を選ぶとしたら、コロンゼ(仮名)を挙げないわけにはいきません。彼はアディクトとしてもいまなお日本代表レベルの輝きを放っていますし、多くの仲間達に愛されています。はじめにお断りしておきますが、これから書くことは僕が見た彼の歩みを事実に即して述べ伝えていくものであり、決して彼を誹謗中傷するようなものではありません。勿論、本人の承諾、東京ダルク倫理委員会の承認を得ています。
コロンゼと初めて会ったのは1994年の暮れ、目黒のNAミーティングでした。ミーティング前に、バカ話だかエロ話だかに花を咲かせて大爆笑している見慣れないおじさんが会場を沸かせていました。一分に一回「ウシャシャシャシャシャ」とチキチキマシンのケンケンみたいに笑うので、「うるさいなー、誰あのヒナ鳥みたいな関西人?」とメンバーに聞いたら、「大阪ダルクでスタッフやってるコロンゼさんだよ」と教えてくれました。コロンゼにしてみれば馴染みのない東京のミーティング場なのに、なぜあれだけ自然と東京のメンバーに溶け込めていたのか、僕には不思議に思えました。更に驚きだったのはミーティングが始まって、彼の正直な語りがメンバーたちの心を惹きつけていることでした。彼がまとっている正直さのオーラにふれると誰もが「この人は特別の存在なんだ」とおそれいってしまうようでした。帰り際、「さよなら」の代わりに「俺のこと嫌ってへんか?嫌ってへんか?」と一人ひとりに聞いて回って去っていく彼を見て、フッと笑みがこぼれました。